2011 年の震災を機に、一気にツイッターや Face book などの SNS が普及しましたが、マナーやリスク認識が追いついておらず、看過できない事態になってきました。今はまだ大きな騒動にはなっていませんが、このまま放置しておけば、重大な事態になりかねないということで、大学としても緊急に対応を検討しています。 アクセス制限をしていない(ツイッターでいえば鍵をかけていない)アカウントは、ただの独り言のつも りでも、全世界に向かって情報を発信しているのと同じことです。ツイッターというメディアは、独り言や 友達とのおしゃべりの感覚で手軽に使えるため、あまりその自覚がないかもしれませんが、私的な友達同士 のおしゃべりであれば問題がないことでも、「不特定多数に向かって発信した」場合は、個人情 報の漏えい、名誉毀損、プライバシー侵害、守秘義務違反などの点で問題になることが あります。最悪の場合は、停学・退学、内定の取り消し、解雇、法的な処罰、といった処分を受けることが ありますので、十分に注意してください。実際にこうした処分を受けている事例はたくさんあります。 自分の発言が、フォロワーや身近な人にしか見られていないと思っている人が多いですが、実際は、多数 の教職員の目に触れていて、すでに個人が特定されているケースも複数あります。見られていないと思 い込んでいるのは「あなただけ」です。 大学は、発言に問題のある学生に対して、(犯罪行為、反社会的行為に発展すれば別ですが)即刻、停学や 退学といった措置はとりません。むしろ、それを指導・教育するのが大学の役割だからです。しかし、それ は、あくまで教育的配慮によるもので、問題発言が許容されているわけではありません。一方、バイト先や 企業は、問題の多い学生は容赦なく切り捨てます。今、企業は学生の発言を、みなさんが想像している以上 に綿密にチェックしていて、採用試験の参考にしています。 過去の発言も永遠に残っていて、遡って検索できますから(本人が削除しても、フォロワーに送られたも のやリツイートされたものまで、すべてを削除することは不可能)、就職活動の間だけ注意しても意味はあり ません。今の軽率な発言が、将来をつぶす可能性があることを重々認識してください。 ツイッターのアカウントに鍵をかけるなどして、アクセスを制限していても、システムエラーや、フォロ ワーのミスあるいは悪意によって、意図的・無意図的に内容が漏えいされる可能性は決して低くはありませ ん。また、犯罪や反社会的行為、訴訟など何らかの問題が発生した場合、プロバイダ責任制限法によって被 害者には発信者情報を開示請求することが認められています。ネット情報は「書き捨て御免」では済まず、 発信者(加害者)はIP アドレス開示を通じて特定され、被害者から損害賠償を請求されることがあります。 すなわち、ネット上に完全な匿名性やセキュリティはありませんので、アクセスを制限してい ることに対して安全を過信することなく、発言には十分注意してください。 他者の個人情報を許可なくツイートしない個人情報は、実名や顔写真、肩書き、所属だけでなく、行動も含まれます。 個人には、こうした自己に関する情報公開をコントロールする権利(プライ バシー権)があります。たとえば、「有名人を見た」「有名人が何をしていた」 というツイートは、その有名人の個人情報の漏えい、プライバシーの侵害に 当たります。有名人を見かけたら、つい誰かに言いたくなってしまいますが、 その人は、その場にいたこと、していたことを、公に知られたくないかもし れませんし、仕事をしていないオフのときは、私人としてすごす権利があり ます。 有名人だけではなく、一般人に対しても同様です。一般人も、自分の行動 パターン、生活パターン、居住地域、行動範囲などを、不特定多数に知られ ない権利があります。たとえば、町中で友人や先生を見かけても、あなたの 気軽なツイートが、本人に迷惑をかけたり、訴えられたりすることがありま すので、原則として、そのような情報をツイートしたり、写真を上げたりし てはなりません。 他者を誹謗・中傷するツイートをしない実名が出ていればもちろん、実名が出ていなくても、関係者にはその個人 や団体が識別できる形で、社会的評価を不当に貶める誹謗・中傷は、名誉毀 損に該当します。たとえば、友人や教員、または大学やバイト先、就職活動 先に対する一方的な不平・不満、暴言・罵詈雑言は、相手の名誉を毀損して いる可能性があります。また、名誉棄損にならなくても、相手がそれを不快 と感じれば、精神的損害を理由とする賠償の問題になり得ます。 ときどき、感情を一方的に発散しているツイートが散見されますが、もし、 相手が法的な措置をとれば、圧倒的に不利になります。ツイートする側に悪 意がなく、ただの冗談や軽いツッコミのつもりであっても、相手が「社会的 評価を貶められた」「精神的苦痛を受けた」と認識すればアウトです。 ハラスメントなど本当に問題がある場合は、ツイッターではなく、リアル 世界の方で合法的な手段に訴えてください。 職務上、知り得る情報をツイートしない大学や企業など、所属する団体に対して、所属メンバーは守秘義務があり ます。たとえば、バイト先のシステム、顧客情報(「有名人が来店した」など も含む)などを、従業員がツイッターやFace book で公開するのは、守秘義 務違反、服務規程違反に当たります。 これまでにも、有名人がホテルに泊まりに来たことを従業員がツイッター で暴露して、そのホテルの総支配人が謝罪するなど、従業員のモラルが問題 になった例はたくさんあります。今、バイトの教育や契約の中に、ツイッタ ーのことも追加されていますが、違反すれば解雇は必至ですし、バイト先に 与えた損害(社会的評価や信用の失墜)は償えるものではありません。 バイト先だけでなく、大学についても同じことです。内部の関係者には、 外部には公にされていないことを守秘する義務があります。教職員や学生の 個人情報、学内のアルバイトで知り得た部署の情報、入試の面接委員や監督 者の配置、受験生のことなど、学内の情報を漏えいすることは許されません。 モラルに違反する内容をツイートしないモラルを逸脱した行動や発言(他者への誹謗中傷、個人情報漏えい、守秘 義務違反以外に、未成年飲酒、飲酒運転、カンニングのような不正行為の公 表)は、それ自体が処罰の対象となり得ますが、ネット上でも激しい批判を 浴び、その結果、あなた自身の個人情報がネット上で探索され、公開される リスクを有しています。あなたの実名、顔写真、所属はもちろんのこと、住 所や電話番号、さらにはあなたの交友関係、家族の情報までが、あらゆる方 面から集められ、ネット上に公開されることもあります。軽率な発言の結果 として、あなたも家族も、いたずら電話や嫌がらせ、ストーカー、泥棒など に悩まされることになります。 就職活動の際、企業はあなたに関するネット情報も、過去に遡って検索 します。過去に起こしたトラブル、ツイッターやFace book での発言内容、 フォロワーの質などからも、あなたという人間が判断されることになります。 どんなに採用試験で頑張っても、ネット上でトラブルを起こしていたり、マ ナーをわきまえていなかったりする人物は、社会人として信用されません。 via. 聖心女子大学
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